第167章

一目見ただけで、伊藤航は呆然としてしまった。

以前、伊藤奈々から話を聞いた時から、一度も会ったことのない前田南に好感を抱いていたが、今日実際に会ってみて、彼は「絶世の美女」という言葉の意味を初めて理解した。

一目惚れは小説の中だけの話ではなく、現実にも存在するものなのだと。

「南、こちらは私の従弟で、家では一人っ子なの。私たちは二人とも兄弟姉妹がいなくて、幼い頃から一緒に育ったの。伊藤航、航海の『航』よ」伊藤奈々は率先して二人を紹介した。

前田南は特に深く考えなかった。

彼女は進んで手を差し出し、伊藤航と握手した。「はじめまして」

「ぼ、僕もはじめまして、前田さん、本当に綺麗です...

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